2025年6月30日、自民党の平井卓也衆議院議員により、
大島新・ネツゲン・瀬戸内海放送(KSB)の3者を相手取った名誉毀損と業務妨害の訴えが
高松地方裁判所に起こされ、
8月5日より口頭弁論が始まりました。

2022年に公開したドキュメンタリー映画『香川1区』では、平井氏が代表を務める政治団体の政治資金パーティーを巡り、パーティー券購入依頼文書の存在と告発者のインタビューを元に政治資金規制法違反の疑いについて報じました。文書には、「依頼枚数10枚×20,000円=200,000円」と共に「お手元所有参加券番号(ご出席依頼人数3名分)」との依頼が記載されていました。その場合、出席しない7名分に関しては寄付となるはずが、その旨が政治資金収支報告書に記載されておらず、映画ではこの件について平井事務所へ質問し、平井事務所からの回答と共に報じています。この件は、同年に神戸学院大学の上脇博之教授によって高松地検に刑事告発され、23年に嫌疑不十分で不起訴処分、それに対し高松検察審査会で不起訴不当の議決、検察の再捜査によって今年1月に「嫌疑不十分」で再び不起訴となりました。
平井卓也議員は、「根拠なき疑念により私の人格と名誉が著しく傷つけられ、選挙活動にも深刻な影響がありました」と話し、『香川1区』監督の大島新と製作会社ネツゲンに、1100万円の損害賠償、映画の上映とDVDの販売禁止、ウェブサイトに謝罪文の掲載を求めています。
大臣経験もある政治家、すなわち権力者が、表現者やメディアを訴えるということが何を意味するのか。訴状を読んで「負ける要素はない」と思いましたが、表現・報道の自由を守るためにも、後に続く人たちのためにも、しっかりと闘います。そしてこの裁判の顛末を後世に残すために、記録していきます。ご支援を、なにとぞよろしくお願い申しあげます。
2025年8月5日 「香川1区」監督大島 新
映画の公開から3年以上の間、平井氏側から映画の内容について何か問われることは一切無かったため、突然の提訴は寝耳に水のことで驚きましたが、裁判に真摯に向き合い闘っていく所存です。映画の製作時から4年近く経緯をつぶさに見てきましたが、まだまだ解明されていないことが多いと感じています。この裁判を通し、風通しの良い社会が育まれることを願い、これからの我々の動きをみなさまに共有していきたいと考えております。結審までどれほどの時間がかかるかわかりませんが、裁判所が遠方の高松であることも含め、裁判費用が重くのしかかります。応援をいただけましたら、とても嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
2025年8月5日 「香川1区」プロデューサー前田亜紀




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